012 十勝千年の森

帯広空港から車で1時間ほど走ると「十勝千年の森」という広大な土地がある。東京ドーム85倍の広さといわれており、その昔、北海道の開拓民がこの地に住んでいたとのことであるが、ここを千年をかけて原始の森に復元したいとの夢のある構想のもとに、十勝毎日新聞社が開発を進めているところである。
「千年の森」という魅力的な言葉に誘われて、先ほどこの地を訪ねてきた。
雄大な日高山脈を背景に、想像以上に広い原野であり、その中に身を置いて美しい眺めを見ていると、日ごろの忙しさで見失っている自分を取り戻し、ゆったりとした気持になる。
  そして、目先のことに心を奪われるのではなく、千年単位でものごとを考えていく大事さを強く感じたのである。
すでに草原や水辺ほかいろいろな整備が進んでいるが、特記すべきは現代アートの先端を行く作家の作品が、森の中のあちこちに設置されていることである。オノ・ヨ-コ、浅野修、インゴ・ギュンター(ドイツ)、サミ・リンターラ(フィンランド)などなどの作品で、美術館という箱から外へ出た、いわば野外展といった形であり、一つ一つが興味深いものであった。
それらを見て、すどう美術館でもこの地で、新しい形の現代アートを創造し、参加ができればと、夢がふくらんできた。
同時に、この悠久の地を皆さんに知ってほしいとの思いから、旅行社トラベルプラン(八田稔社長)との共同企画で、「十勝千年の森」への旅〈9/25~27〉を実施することになった。ちょうど8月17日のNHK「新日曜美術館」で45分にわたり『十勝千年の森』についての放映があり、時宜を得た企画になったと思っている。

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