027 寝室に進出

 美術館の二階は寝室であり、当然のことながらプライベートの場所である。
 しかし、ここのところ、この部屋に作品を展示し、オープンスペースにしている。変形の十二畳ぐらいの広さで、両脇には貫禄のあるベッドが置いてあり、他にも骨董的な家具、書棚などが備え付けられている。
 展示スペースを広げたいとの思いからではあるが、窓から木々の緑が見えたり、晴れていれば遠くに富士山も見え、なかなかの眺めで、こんなところにも展示ができるということを知ってもらいたいと考えてのことでもある。実際にグレイの壁面、黒いカバーをかけたベッドの上などを使って、作品を掛けたり置いたりすると不思議な空間が生まれ、なんだか楽しくなる。
 残念なことに屋根がトタンで、冷房が利きにくく、今年の暑さでは二階に上っていただくのがちょっと気の毒な感じもしたが、珍しさも手伝い、来館者がいずれもここの展示を褒めてくれる。
 今まで、コレクションの菅創吉の作品、マドリッドの山口敏郎展の作品と個性的な平面、立体などを展示してきた。現在は常設展示とし、何人かの作品を飾っている。そのうちすどう美術館のオリジナルグッズや個性あふれるアーティストグッズ等もおいていきたいと思っている。
 さて、ベッドは使えず、あちこちに作品が置いてある部屋でどう寝ればよいのか。狭い床の上に小さめなフトンを敷き、小さくなって寝るのであるが、素敵な作品に囲まれてこのうえない幸せ、と我慢して眠るのである。

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