039 みて・あそんで・つくる展

 さる5月1日から10日まで、すどう美術館では珍しい催しを行った。
創作おもちゃの作品展示とおもちゃ作家によるワークショップ、「みて・あそんで・つくる」展で、期間中500人を超える人たちの来館があり、とても楽しい展覧会となった。
主催は「日本おもちゃ会議」、全面的に協力してくれた小田原市とすどう美術館が共催の形で参加した。
 おもちゃは子どもになくてはならないものであるが、大人にとっても遠き日の郷愁を呼び起こす大切なもの。会期中、子どもも大人も笑顔に溢れていたのが心に残っている。
 もっとも、おもちゃと遊び、子どもがなかなか帰ろうせず、いっしょにきたお母さんたちが困ってしまう場面もたくさんあった。
展示の作家は21名、それぞれが独自の世界を持っていて、素材も木、布、紙などさまざまであったが、どの作品にも心のやさしさが感じられた。
ワークショップは5日間で10講座、いずれも人気であったが、特に「デコレーションオルゴール」、「コリントビンゴゲーム」、「ミニハウス」をつくる講座などは早くから定員をオーバーし、申し込みを断るのがたいへんであった。
他におもちゃについての岩城敏之さんの講演、小黒三郎さんの3日間におよぶ糸のこを使っての木のおもちゃ作りの実演、小田原駅地下街の「ハルネ広場」での出張工作教室など盛りだくさんのイベントを行っている。
終了後、その世界で有名な小黒さんからごていねいな礼状と新作のおもちゃが送られてきたが、その中で、「今後もすどう美術館で木のおもちゃのイベントできれば嬉しく思います」と書いてあったのが私にもうれしいことであった。
それにしても、大人の作家が嬉々としておもちゃ作りに励んでいる姿を想像すると、ちょっと微笑が浮かんできてしまうのである。


須藤一郎



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