生誕110周年 菅 創吉展に出席して

すどう美術館 館長 須藤一郎

 昨年12月、富山県南砺市の町にある福野文化創造センターを訪れた。
目的は同センターで開催される「生誕110周年 菅 創吉展―21世紀に生き続けるユーモアとメッセージ―」開催のオープニングセレモニーに招待いただいてである。
 私は1982年、46歳の時、菅 創吉逝去直後に作品に出合い1点手にしたのがきっかけで、菅作品を中心に美術の作品を収集するようになり、美術の活動にも入るという思いがけない展開になってしまっている。
そして、いろいろな活動をしてきたが、メインはやはり、菅作品および菅 創吉という人間のPRであり、1996年、NHKの日曜美術館で40分にわたり取りあげていただくという幸運にも恵まれた。
 ところで、福野文化創造センターは多摩美術大学館美術館(多摩美美術館)の関わり等で、菅創吉の遺族より多くの作品の寄贈を受け、所蔵している。
 今回はその所蔵作品の中から88点、すどう美術館からご依頼を受けてお貸しした22点、計110点が展示された。生誕110周年に合わせた点数である。
 12月22日のオープニングセレモニーは主催者のほか、共催の北日本新聞や県および市、多摩美美術館の関係者などが出席、華やかに行われた。
 代表の人たちのあいさつや祝辞に交じり、「特別協力 すどう美術館」ということで私にも祝辞をというお願いがあった。
 私は菅 創吉との長い関わりを説明、主催者側の努力によりこの展覧会が開催され、菅 創吉ファンがさらに増えていくことのよろこびの気持ちを祝辞というよりはお礼の言葉として述べさせていただいた。
 その後にはテープカットがあり、5人の中の一人としてこれにも参加する栄誉に浴した。生まれて初めての体験である。
 当日は関係の皆さんから暖かく接していただき、とても感激であった。

 ついでながら、ちょうど18年前、当時の商工会の会長さんから、町の活性化を文化でということで、多摩美美術館を通じ依頼があり、この町の二つの空き店舗ですどう美術館のコレクション展を2週間開催した経験がある。一つは菅創吉作品で、もう一つはその他のコレクションの作品で。
その節、しばらく滞在しており、本当に久しぶりに町の中を歩いてみたが、当時のことが懐かしさとともに甦り、再びこの地に来られ、深い感慨に浸ったのである。

topic topic topic topic