入江清美展-Esquisse 2-

会期
2011年12月2日(金)~25日(日)
入江清美

「checks 1-36」

「作家のことば」
Esquisseは単なる"作品の準備のための小さな下絵"という意味だけではなく、
自己の感覚を確認するための作業としてとても大切な行為に思う。

想像力や感情、発想、写生などから受動的にあるいは能動的に
インスピレーションが生まれ、画面には確固たる意思が現れる。

私は日々の積み重ねによる大量に生まれるその行為によって
作品に対する安心感を得ているのかもしれない。
自己暗示や瞑想のようでさえ思える。

今回は彼らが主役だ。

伊藤あずさ展 「藍色の風景−光と風の詩−」

会期
2011年11月4日(金)~27日(日)
伊藤あずさ

「作家のことば」
耳をすませばきこえてきます
生命(いのち)の呟き
目を閉じれば見えてきます
心のイメージ
存在するすべてのものは、尊く美しい生命(いのち)をもって時を流れていきます
光と風の詩を奏でながら緩やかに流れています
イメージは心のひろがり
心はイメージのひろがり
そして、生命(いのち)の呟きは各々の中の美しい風景に変わっていくのです

長友紀子展 「They are still dreaming」

会期
2011年10月7日(金)~30日(日)
長友紀子

「作家のことば」
黙想の時間を描きたい。しんとした世界に、みはるかす地平もしくは水平線、私が描こうとするのは果ての先の向こうの方だ。そこで人は何を思うか。子どもらはいまだ夢を見ている。夢の中で世界は果てしなく、向こうの方へ行くことはたやすい。では我われは、と思う。

渡辺洋子展

会期
2011年9月3日(金)~26日(日)
渡辺洋子

「作家のことば」
やっぱり描いている
描くしか 自分には出来ない
やっとわかってきたな

何が描きたいかって
べつにこれといって無いのだ
描きかけのキャンバスや、失敗して放っておいたものの
色や 線を眺めていると、感覚が動き出してくる
画面に、次に塗るべき色が見えてくる
何を描いている と言う訳ではないのだよ
自分の感情や 感覚 自分自身を表現している
そんな事に ふと気づいた
無い頭で、 色々考えてきたけれど

ただ 何も考えず描くだけだ

よし 描き続けよう

豊丸眞悟展

会期
2011年7月1日(金)~24日(日)
豊丸眞悟

「作家のことば」
時折、どんな絵画より美しいと感じる壁に出くわすことがある。
人為的な絵画より長い歳月が偶然作り出した模様に美しさを感じるのは、おそらくそこに自然界の法則を見出すからだと思う。
今回の作品では、そういう壁の傷やシミを接写した写真を用いている。
その写真をコンピューター上で何枚も重ね合わせ、それをリトグラフというアナログな手法で何十回も重ね刷りして再現している。
つまり私の作品は、デジタル処理というテクノロジーと、リトグラフの気の遠くなる工程の果てに新しく表出された壁である。

鷲見綱一展

会期
2011年6月3日(金)~26日(日)
鷲見綱一

「作家のことば」
心の中にキラキラ輝く世界があります。今を生きる人間をテーマに、外ばかりでなく内なる心を創造的に表現したいと考えております。無限に広がる宇宙の大きさの中で、ただただ小さな存在の私たちは大きな自然、時の中でとても無力で小さく揺れる点のようなものです。
でも今をしっかり生き、思い、感じ、悩み、願い、色々な心の色を奏でながら未来に繋がっていく。小さくても強くキラキラ輝きながら存在していく人間の心の種、内面深く湧く光、動きを認識できる形として表現したいと願っております。

後藤雅樹展

会期
2011年5月6日(金)~29日(日)
後藤雅樹

「作家のことば」
僕はこれまで鋳金での彫刻作品を発表してきました。しかし現在、扱う素材は過渡期に入っています。
無有斎では、僕が普段鋳物を作る過程で型に用いる「真土(まね)」と呼ばれる赤土での彫刻作品を発表する予定です。
この土は、型の役目が終われば叩き壊し、細かく砕かれ鋳物屋の土間へ還るのです。
そして再び型として再利用され、それは半永久的に循環しているのです。
土の放つプリミティブな表情に今は強く惹かれています。

大矢雅章 本の表現展 ―詩画集「糸遊」と「星の詩韻」―

会期
2011年4月1日(金)~24日(日)
大矢雅章

「作家のことば」
長い間、詩画集を作ってみたいと思っていました。願いというはある日突然叶うもので、最初の詩画集、谷村秀格氏との共作「糸遊」 の制作は、書家谷村氏の意外な告白から始まりました。「実は俳人 でもあるんです。」そう言って見せてくれた俳句が、僕の琴線にすんなり響いたのは運命のいたずらかもしれません。最新作の「星の詩韻」は文化庁在外研修で滞在したパリで出会った詩人ロベール・ マルトー氏が、僕の素描からイメージして書き下ろしてくれた詩と 版画による12点組の詩画集になります。(写真は糸遊。版画と俳 句の7点組詩画集)