大井町でのすどう美術館コレクション展を終わって

すどう美術館 館長 須藤一郎

 2017年4月26日から5月7日まで、神奈川県大井町の生涯学習センターで「すどう美術館コレクション展」を開催することができた。  大井町の間宮恒行町長からお声掛けをいただいてなので、大井町と大井町教育委員会の主催である。
大井町は小田原市の近隣で、かつて私が勤務していた第一生命の大井本社があったところであり、私にはなじみの深い町であって、とてもうれしいことであった。  会場は生涯学習センター2階の会議室4室の仕切りを取り払って1室とした広いスペースであり、導入部として1階の壁面や会場入り口の壁面などにも展示をしたため、100号、120号の大作を含め、全体で17名の作家の70点にのぼる作品の展示となった。まさにすどう美術館の集大成ともいえる展覧会になったのである。
 コレクションの中心となる菅創吉をはじめ難波田龍起、大沢昌助、小山田二郎、猪熊弦一郎、田口雅巳など今や物故となった作家の作品が大半を占めたが現在も活躍している谷川晃一、原口典之ほかの作品も展示することができた。
 私は美術作品の役割はどれだけ多くの皆さんに見てもらえたかということだと考えており、展示された作品それぞれが喜び、輝いているように見えた。
 会期中、「豊かに生きる―美術との出会い―」というテーマで講演会をさせていただき、美術が人間の精神的な面でなくてはならないものという私の持論をお話しすることができたが、別に「作品解説」の時間も設けていただき、作品との出会いや作家についてのエピソードなども説明することができた。
 なお、アーティストの朝比奈賢さんにお願いしてのワークショップもたいへん好評であった。  一番気持ちがよかったのは町の所管課である生涯学習課の皆さんをはじめ、町の職員の方々が、細かく気を使ってくれ、紹介のビデオの制作や案内の掲示その他、このうえない行き届いた対応をしてくださったことである。
 展覧会終了後、生涯学習課から、会期中700人を大幅に超す来場者があり、アンケートも多くの方から提出があって、わかりにくいと思われる現代美術の作品であるにもかかわらず、楽しんでくださった人がとても多かったとの報告をいただくことができた。
 一生懸命集めた作品が皆さんに受け入れられたことが、私にとって最大のよろこびとなる展覧会であった。

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