大井町でのすどう美術館コレクション展開催にあたって

すどう美術館 館長 須藤一郎

 このたび、神奈川県大井町および大井町教育委員会からお勧めをいただき、「すどう美術館コレクション展」の開催が実現することとなり、たいへんうれしく思っています。
 私はもともとサラリーマンで62歳まで第一生命におりました。ご承知のように1968年、この地に第一生命大井本社が設立され、長い間大井町と第一生命とは緊密な関係にあり、退去後の今もいい関係が続いております。
 私自身は東京が中心で、大井本社での直接の勤務はありませんでしたが、企画、人事、関連事業の業務が長かったので、大井町や大井本社とは業務上深い関わり持っておりました。それだけに、今回の展覧会に大きな喜びを感じている次第です。
 さて、コレクションの作品についてですが、1982年、私が46歳の時に妻と伊豆の、ある美術館で菅創吉という名も知らなかった画家の作品に感動し、1点購入したのがきっかけです。
 それを機に私たちふたりはこの作家を中心に、名前や表面の美しさではなく、体で感じ、心に沁みるアートの作品をコツコツ集めるようになってしまいました。
 そして、作品が集まってきたときに考えたのは、絵の役割は多くの人に見てもらうことではないかということと、絵から受ける感動を他の人にも伝えるべきではないかということでした。そこで、1990年、当時居住していた東京町田市の自宅を「すどう美術館」の名で開放し、コレクションの作品を見ていただくとともに、いろいろな活動をするようになりました。まだ私は会社でしたので、平日は妻が、土日は一緒に運営をしました。
 会社退職後は大決断をし、東京銀座に進出、10年間さまざまな活動をしてきましたが、現在は小田原の地に移り、さらに展開の範囲を広げて現在に至っております。
 思いがけず、こんな形で美術に関わるようになったのですが、その体験から、「人間の精神的な面で、アートはなくてはならないもの」と私は感じており、それを皆さまにもお伝えしたいというのが基本的な運営方針です。
 今回はコレクションのうち17人の作家から50点の作品を選び、展示することとしました。 
 すどう美術館コレクションの真髄を多くの皆さまにご覧いただければ幸いと存じます。
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